海辺再生
特定非営利活動法人 さざなみ
人と自然が調和する、いつまでも安心して暮らせる社会を目指して。
recovernarashino@zd.wakwak.com
https://sznm.org/recovernarashino.html
東京湾再生事業(茜浜定例清掃)
私たちの本拠地である東京湾岸は千葉県習志野市の海辺を中心に、海辺の清掃活動や護岸の整備活動、人目の少ない港湾地域の安全のための見守り活動などを行っております。自分たちの住む街を好きになり、街の未来つくりを支える心が育まれることを期待しています。本活動におきまして、回収したごみの処分などにつき習志野市(公園緑地課)の協力を頂いております。
本活動は2020年春に発足した「習志野の海を守る会」における習志野市茜浜での定例清掃となります。
地元住民中心の穏やかな海浜公園周辺の清掃活動となっております。準備や予約なども不要ですので、どなたさまも直接お気軽にご参加ください。
開催日時:毎月第3日曜日 9:30~10:30 頃
開催場所:習志野市茜浜海浜公園敷地内(集合場所は菊田川河口西岸のあたり)
*荒天時の中止連絡は活動日当日朝7:00を目安に現場担当より当会FBグループページに掲載されます。その後、当会ホームページカレンダー内の活動予定欄にも掲載します。ただし現場からの作業になることもあり、掲載のタイミングにタイムラグが生じる可能性もあります。基本的には自己責任による有志活動である趣旨を十分ご理解いただき、各自の判断で無理のない参加をお願いします。
業終了後の10:30頃、集合写真を撮影しております。作業を継続される方も一旦この時間になりましたら集合場所にお集まりください。撮影した写真は本ホームページや「習志野海を守る会」SNSなどで使用させていただきます。また、参加された方で写真が必要な方はこれらアップされた画像を各自ダウンロードして構いません。なお、画像の無断での商用利用はお断りしております。
茜浜海浜公園から集合場所まではおよそ徒歩5分程度です。無料の駐車場は十分な広さがございます。開催前になるとスタッフにより横断幕が張られるため、容易に見つけられます。
なお当日の急な連絡や清掃後の活動報告などは「習志野の海を守る会」のfacebook グループページからも確認でき便利です。closed グループですのではじめにメンバー登録をお願いします。
* Face book グループは Closed group となっております。個人情報も含まれるグループのため、メンバーリクエストをいただいたアカウントは約10名の管理者(守る会スタッフ)の承認を得ての登録となります。リクエスト時は簡単なリクエスト理由の質問にお答えいただき、適正と思われるアカウントのみメンバー登録させていただいております。
各種講演・海辺の再生に向けた運動の普及活動
習志野の海を守る会のスタッフを中心に、習志野市内、首都圏近郊を中心に海ゴミ問題への取り組みの紹介や、埋立地の歴史などに関する教育講演を行っております。
他団体との連携・イベントの共催
*以下は当法人の前身となる「習志野の海を守る会」案内より。
基本理念
・水辺の環境保全を通し、人と自然に優しい心を育む
・持続可能で誰一人取り残さない社会の実現に向けて市民からの提言を行う
・一人一人が自然と社会の関係を意識し、各々が役割を持って活動に取り組む
・人と人とが繋がることで、前向きな社会的インパクトを創出する
・融和と協力を重んじ、積極的に関連する他団体との連携を行う
設立趣旨
近年世界規模での海洋汚染は深刻さを増しており、もはや静観できる段階を超えている。早急に、そしてダイナミックな消費社会構造の転換が必要と考えられるが、そのためには我々一般市民個々人の環境保全への意識を高めることが、社会をより良くする上で必要である。
特に習志野市においては、広大な埋め立てエリアにて東京湾に接しており、海は私たちの生活に直接に影響し、かつ市民の憩いの場としてもかけがえのないものとなっている。
海洋の環境問題と向き合うことは本市民にとって当然であり、必要である。海辺の清掃活動を通して、護岸の保全のみならず市民の身近な海への意識を高めたい、さらに自然と触れ合うことで人と環境にやさしい心を持った子供たちが育ってほしいとの思いから当会は設立された。
海辺の清掃を基本に、各種講演会などの催し、政策への提言などを視野に活動を展開している。こうした活動は一見して地道な努力であるが、継続することで一定の啓発的意味があるものと信じている。
また、当会は関連する他団体との連携も重んじている。それは個々の限局した地域での活動には限界もあり、より先を見据え、広範囲なエリアを包括する概念での活動も視野に入れるべきと思われるからである。世界の海はつながっており、人類は皆同じ持続可能な幸せを求めているのだから。これは2015年に国連で採択されたSDGsの概念そのものとも言える。2020年12月に実施され成功を収めた当会主催の東京湾清掃月間に象徴されるように、各地域の奉仕団体・環境支援団体の連携を構築できれば、社会にインパクトを与える前向きな風が加速するのではないかとの構想も抱いている。
人と自然が共存できる持続可能な世界への変革、誰一人取り残さない社会の実現に向けて一定の役割を果たせるよう、我々は着実に、前向きに活動を継続していく。
~習志野の海を守る会設立に寄せて~
私達の習志野市は広大な埋め立てエリアにて東京湾に接しており、海は私たちの生活に直接に影響し、かつ市民の憩いの場としてもかけがえのないものとなっております。
私自身 この街に生まれ 育ち 、この東京湾奥の習志野・船橋沿岸に慣れ親しみ、生きとし生ける生命や、海の変遷を見つめてきました。ところが残念ながら、本市を含む現在の東京湾奥において、山本周五郎の「青べか物語」で謳われるような、生命の活気にあふれ、喜怒哀楽に満ちた人間の生活の場であった海浜の光景は、はるか遠くに失われてしまいました。 特に本市に至っては全ての護岸が直立式か、テトラポットとなっており、かろうじて私が子供の頃に 降りて 遊んでいた谷津干潟も、現在は管理され、遠くから眺めるのみで、自由に水辺にたたずむことさえできません。
私たちは多くの大切なものを失いました。 ほんの僅かな経済効果と、一瞬の快楽ために、永遠を失ってしまったのです。せめて故郷の海に何かを残したい、心からこの東京湾奥の海を愛する人たちがいるのだということを伝えたく、数人の仲間を集め清掃活動グループを立ち上げたのが始まりです。根底には私たちのためだけでなく、私たちの子供たち、100 年後の未来を担う人たちに、何かを残したいという思いを抱いております。
人間にとって本当に大切なことは自然環境と教育です。人間のみならず、多様な生命が健やかに生活できる環境と、自然を慈しみ、それを維持しようと心がける精神を育むことが、幸せな人間の条件であると、私は思います。 医療も、経済も、外交も、戦争も、我々が日々生きる海と大地 を守り 、生命 を愛する心を持った人間が育たなければ何の意味もありません。
人を愛し、生きとし生けるものを慈しむ心は、そうしたものに実際に触れてみて初めて生まれるものです。テレビやインターネットからでは決して感じることはできない生命の息吹が、自然との直接的な触れ合いの中に存在するのです。 私は幼いころ、近くの菊田川水路で見つけた小ガニをビンに入れ持ち帰り、時を忘れて延々と眺め続けました。取るに足らない小さな生命も、無限の宇宙を包摂し、そしてそれは一瞬のはかないものであり、それがゆえに大切に扱わねばならないものであると知ったのです。それは学校で教わる勉強よりも、はるかに重要な意味を持っていたのです。
いま世界は2015年に国連で採択されたSDGsといわれる持続可能な社会の実現に向けて動き出しています。パンデミックの影響もあり、ところどころで分断や後退の兆しも認められるものの、大きな流れは変えようがありません。経済においてはESGといわれる概念に基づいたマネーの流れが加速しています。 決して 後戻りのできない、大きな流れです。 私たちは市民への啓発や、環境教育のきっかけとしての清掃活動を基本として、私たちのためだけでなく、私たちの子供たち、100年先の未来の習志野のために、今何ができるかを問い続けています。
困難な状況が続いております。しかし 政策にとって、目下のそれぞれの問題に対処することと同様に、今後数十年先の我々人類が直面するであろう課題を見据え、何が残せるかを思索することは、あるいはより大切なことかもしれません。
海辺の清掃活動を行なう私たちですが、根底にはより大きな夢があります。それは多くの団体や個人も望んでいるように、失われた海辺を再生するということです。必要なのは勇気ある決断です。開発から回帰への、大きな方向性の転換です。水辺の再生は 我が国のみならず全世界の至るところで重要な テーマとなっており 、 特に自然護岸のない習志野において、その意義は大きいように感じます。
私たちは一応ビーチクリーンクラブと銘打って活動しておりますが、実際のところ、私たちの習志野にはビーチ(砂浜・自然護岸)は存在しないのです。近隣には千葉市の広大な人工海浜、船橋市の三番瀬など砂浜・自然護岸が存在しますが、わが市においては全ての護岸が直立式ないしテトラポットなのです。これは海の大切さが叫ばれる昨今において、しかも海に面した都市において、非常に 特異的な ことでもあると考えます。
砂浜・自然護岸の存在しない習志野市において、なぜビーチクリーンクラブを立ち上げるのかと思われるかもしれません。しかし私は思うのです、習志野は砂浜・自然護岸のない街ではなく、砂浜・自然護岸を失った街であるからです。その意味において、私たちはこれからも活動を続けていきます。人を愛し、海を愛す優しい心を持った人の輪を広げていくために。東京湾岸では特に東京や神奈川でこうした 海辺再生の 取り組みは加速しているようです。私たち千葉県民も、こうした流れに追従すべきです。そして、かつて御菜浦といわれた船橋・習志野沖の豊かな海辺を開拓してできあがった習志野の特殊性を、日本に、そして世界に明示するチャンスです。
習志野は非常に可能性を秘めた都市だと感じています。
私たちならできるはずです。
豊かな未来への大きな風となることを願って。
2020年6月習志野の海を守る会 代表